ポゼッションと非ポゼッション:『FM26』で生まれ変わった戦術

ここ数年、サッカー戦術の表現や捉え方は大きく進化してきました。監督、解説者、そしてファンまでもがより深い分析に踏み込み、プレッシングのトリガーやレストディフェンスといった専門的な概念を理解し語ることが当たり前になっています。その中でも急速に広まったのが、「ポゼッション時」と「非ポゼッション時」でのフォーメーションの違い、つまり、ボールを持っているときと持っていないときで、チームがどのように陣形を変えるか、という考え方です。

こうした戦術の進化に合わせて、『Football Manager』も進化しました。私たちは長年にわたり、サッカー界の第一線で活躍する専門家たちと協力し、この大きな戦術的進化を『FM』に取り入れるために開発を続けてきました。そしてついに実現したのが、「ポゼッション時」と「非ポゼッション時」でフォーメーションを切り替えられる新機能です。

もともと『FM』に「選手の役割」を導入した目的は、ボールを保持している時としていない時の、それぞれの動きを指定するためでした。この仕組みはうまく機能しましたが、「状況ごとに異なる陣形を敷く」ことまではできませんでした。

そこで今回、コミュニティから最も多くリクエストをいただいていた機能のひとつである「ポゼッション時」と「非ポゼッション時」で個別のフォーメーション設定が、『FM26』でついに実現します。これによって、戦術を組み立てる幅はこれまでにないほど広がり、柔軟性と自由度も大きく向上し、チーム作りの選択肢もかつてないほど豊かになるでしょう。

それでは新機能について詳しくご紹介していきましょう。

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ポゼッション時と非ポゼッション時のフォーメーション

『FM26』の新戦術オプションは、戦術を組み立て始めた、その瞬間から味わえます。

設定の手順は、これまで『FM』を遊んできた方なら馴染みのあるものとなっていますが、今回は、一つではなく二つのフォーメーションを設定することになります。最初に選ぶのは「ポゼッション時」のフォーメーションです。これはチームがボールを持っているときの基本的な布陣で、後方からビルドアップしていく際の選手の配置を決定するフォーメーションとなります。

その後、ゲーム内のアシスタントが「非ポゼッション時」に適した3つのフォーメーションを候補として提案してくれます。これらはポゼッション時の形をうまく補完し、守備時にチームがどんなブロックを敷くのかを分かりやすく提示してくれます。

たとえば、ポゼッション時に4-3-3を採用するチームなら、非ポゼッション時には4-1-4-1を勧められるかもしれません。これは選手にとって無理のない、スムーズな切り替えだからです。

もちろん、最終的な選択は監督のあなたに任されています。『FM26』では、戦術をこれまで以上に自由にカスタマイズできます。大胆な戦術を仕掛けても、ちょっと変わった試みをしてみても構いません。たとえば、右サイドは攻撃的に、左サイドは守備的になどといった組み合わせも可能です。もし戦術が実用的でなければ、スタッフが注意してくれます。ですが、どこまで大胆な戦術を取り入れるかは、監督のあなたに委ねられています。

Formation

チームの形をより鮮明に

『FM26』で新しくデザインされた戦術メニュー では、これまで以上に自由自在な操作が可能になります。メニューで表示できるのは「ポゼッション時」、「非ポゼッション時」、「両方」、「複合」の4つのビューです。

ここでは後者の2つについて説明します。「両方」ビューでは、2つのフォーメーションを並べて表示でき、チームがどのように形を切り替えるのかを直感的かつ視覚的に比較できます。 

もう一方の「複合」ビューでは、2つのフォーメーションの中間となる平均的なポジションを示してくれます。「複合」ビューで選手を入れ替えると、その変更が両方のフォーメーションに自動で反映されます。チーム編成の調整を一括で行える便利なビュー設定になっています。 

Combined View

新登場:ビジュアライザー

ビジュアライザーは、ピッチ上でフォーメーションや戦術がどう機能するのかを可視化してくれる新感覚のツールで、選手の役割をさらに視覚的に捉えることができます。

ピッチは縦に3分割され、それぞれがフィールドの3分の1を表しています。

ビジュアライザーには「ポゼッション時」と「非ポゼッション時」のビューが用意されており、9つのグリッドのいずれかをクリックすると、ボールがそのエリアを移動したときにチームの陣形がどう変化するかが表示されます。この機能はトレーニングマッチの状況を基にしているため、実践したい戦術が実際のプレーでどう表現されるのかをリアルに確認できます。さらに、戦術を仕上げるためにどこを調整すべきかも一目でわかります。

Visualiser

すべての選手の役割はビジュアライザーに表示され、プレーのフェーズが進むにつれてポジションや動きがどのように変化するのかをはっきりと確認できます。

例として、マンチェスター・シティのポゼッション時の布陣を見てみましょう。ここでは、ニコ・オライリーがインサイド・ウイングバックとして配置されています。チームが自陣深くでボールを持っているときは、まず従来の左サイドバックの位置に構えます。

O'Reilly Eg 1

しかし、ボールが前線へと進んでいくにつれて、オライリーは中央へ絞り込み、守備的MFの位置へ移動していきます。ビジュアライザーはこの変化を完璧に捉え、選手の実際の動きをこれまで以上に明確に示してくれるうえ、試合前に戦術を微調整する余裕も与えてくれます。

O'Reilly Eg 2

非ポゼッション時のフォーメーション設定でも同様の効果があります。たとえば、ブライトンではカルロス・バレバがプレッシング守備的ミッドフィルダーとして起用されています。チームがボールを持っていないときは、ポジション通り中盤の底でプレーします。しかし、チームが前線でハイプレスを仕掛けると、バレバの役割はより前方へと押し上げられ、積極的にプレスをサポートするようになります。

Brighton Baleba Eg 1

Brighton Baleba Eg 2

進化した選手の役割

ポゼッション時と非ポゼッション時のフォーメーション追加に合わせて、『FM26』では「選手の役割」が大幅に刷新されました。

『FM26』の情報を追ってきた方なら、すでに新しい役割名が登場しているのに気づいたかもしれませんが、これらは再定義されたポゼッションシステムの一部です。

役割をより正確かつ現代的に理解できるようにするため、私たちは『FM24』で使われていたポゼッション時の役割リストを全面的に見直しました。従来のまま残ったものもあれば、名前が変更されたものもあります。「メッツァーラ」、「エンガンチェ」、「トレクアルティスタ」は姿を消し、ゲームから外れることになりました。また、一部には新しい機能が追加されています。たとえば「インサイドフォワード」がその一例です。さらに、以下のようなまったく新しい役割も加わりました。

  • ノーナンセンスゴールキーパー
  • ボールプレイングゴールキーパー
  • ボールプレイングセンターバック
  • プレイメーキングウィングバック
  • 攻撃的ウィングバック
  • ミッドフィールドプレイメーカー
  • ワイドセンターミッドフィルダー
  • ワイドフォワード
  • チャンネルフォワード

Player Role

ポゼッション時の役割は、攻撃の場面で選手がどのように動き、どの位置を取るかを示すものです。

これに加え、『FM26』ではまったく新しい「非ポゼッション時の役割」が導入され、守備時に選手がどのように動くかも示すことができます。具体的なリストはここでは公開しませんが、実際にプレイして、ぜひその目で確かめてみてください。

選手が非ポゼッション時の役割に向いているかどうかは、そのポジション付近のエリア適正と、その役割に必要な主要能力の2点で判断されます。

これまで通り、ポゼッション時および非ポゼッション時を含むすべての役割は、『Football Manager』でおなじみの5段階評価で表示され、選手レポートにも反映されます。非ポゼッション時の役割によって、選手がハイプレスに加わるのか、ローブロックで守るのか、あるいはその中間が相応しいかが決まります。

それだけではありません。役割はトレーニングや移籍とも深く関わっているため、試合当日以外のマネジメント体験にも大きな影響を及ぼします。

Phil Foden

また、役割の刷新は戦術全体にも広がっています。『FM26』では「(役割の)タスク」機能が廃止されました。2つのフォーメーションと役割セットを切り替えられることによって、選手が各プレーの局面での役割を、これまで以上に明確に把握できるようになっています。

さらに、各役割に結びついていた固定的な指示も見直されています。これにより、試合当日においても、選手の動きをかつてないほど自由に、あるいは細部まで徹底的に調整できるようになっています。

進化したマッチAI

『FM26』の戦術メニューで得られる新たな自由度と柔軟性を実現するため、私たちはマッチエンジンを大幅に作り直しました。 
マッチ体験ブログでも触れたように、本作ではパスのリスク判定を一から作り直しています。これにより、選手は自分の能力に基づいてパスミスの危険性をより的確に判断できるようになったほか、中央を切り裂く鋭い縦パスが増加。さらに、ディフェンダーをかわす工夫も豊かになり、相手の足の届かないところにパスを滑り込ませたり、足を伸ばした相手の上を柔らかく浮かせたりと、多彩なアイデアを披露します。結果として、これまで以上に切れ味鋭く、スマートで、変化に富んだパターンのパスが展開されるようになりました。

ドリブル面も大きな進化を遂げました。選手はマークしてくるディフェンダーと対峙し、仕掛ける瞬間を見極めて一気に抜き去るプレーを試みます。利き足の内側でプレーするウイングは自然にカットインしてシュートやクロスの角度を作り出し、ドリブラーはスピードに緩急をつけて相手を崩すようになりました。新しいボールキャリーアニメーションと相まって、『FM26』のドリブルはこれまでになく滑らかでリアルに見えるでしょう。

パスやドリブルにとどまらず、攻撃全体にも数々の改善を加えました。中盤の選手はハーフスペースへの動きをより効果的なタイミングで行い、フォワードは危険なクロスの位置からカットバックを狙うようになりました。さらに、「足元へのパス」という新しい指示も追加し、ビルドアップの形をより細かくコントロールできるようになっています。

守備面でも同様に改良を加えました。チーム全体の守備ブロックやプレスの形が洗練され、インターセプトのロジックも再設計。これにより、ディフェンダーはボールを奪うために体を伸ばしたり、飛び込んだり、状況に応じた即興的な対応が可能になりました。さらにゴールキーパーも大幅に強化され、セーブロジック、クロス対応、シュートブロック、あらゆるセービング技術やボール配球に至るまで、これまで以上に信頼できる存在となっています。

そしてこれはほんの一部にすぎません。『FM26』のマッチAIには数え切れないほどの強化が施されており、実際にタッチラインに立って自分の目指すプレーが形になる瞬間に、その真価を実感できるはずです。改善点は守備時のヘディング、カバーリングやマークのロジック、ダブルチーム、新しい「視線」システム、ラインの押し上げ判断、コーナーでのニアポスト守備、さらには選手や監督の新しい傾向まで、多岐にわたります。 

Line-Up

刷新されたチーム指示

ビジュアライザーの右隣には、新しくなった「チームへの指示」メニューがあります。

表示はより視覚的にわかりやすくなり、注目しているピッチの3分の1のエリアと、「ポゼッション時」、「非ポゼッション時」のどちらを見ているかに応じて、関連する指示だけが表示されます。直感的なレイアウトにより、それぞれの指示がチームにどう影響するのかが一目でわかり、勝利を目指す戦術づくりがスムーズになります。たとえば攻撃の幅に関する指示を見る際、ビジュアライザーを通してリアルタイムにチームのポジショニングや動きへの影響を確認できます。

さらに、ベンチでの判断を後押しするために、「データハブ」も新設しました。データを戦術設定の画面と密接に結びつけることで、チームに関する意思決定をこれまで以上に簡単かつ正確に行えるようになります。 

Team Instructions

『FM26』はここ数年で最も野心的な戦術の進化を実現し、トップ監督が試合に挑む姿をそのまま映すかのように、チーム作りのアプローチを変えていきます。

2種類のフォーメーション、進化した選手の役割、そして強力なビジュアルツールを使えば、状況ごとにチームがどう形を変えるのかを把握し、ピッチ全体をこれまでにないレベルでコントロールできるようになります。

『FM26』が戦術の常識を変える。それを試合でどう活かすかは、あなた次第です。 

さらなる機能

ポゼッションと非ポゼッション:『FM26』で生まれ変わった戦術 ポゼッションと非ポゼッション:『FM26』で生まれ変わった戦術
物語が進化する場所:「FM26」のマッチデー体験

選手アニメーションとピッチのディテールの向上により、すべての試合日にさらなる深みとドラマ性が備わるようになりました。あなたが率いる選手はこれまで以上にピッチ上で個性を発揮し、試合日に向けての指導には深みが加わります。 

ポゼッションと非ポゼッション:『FM26』で生まれ変わった戦術 ポゼッションと非ポゼッション:『FM26』で生まれ変わった戦術
女子サッ カーの導入

『FM』の世界に女子サッカーが新登場。監督として新たなチャレンジに取り組み、これまで語られなかった物語を紐解き、切り拓いた新地で才能の原石を発掘しましょう。

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